2022.11.18
切除不能膵癌に対するセカンドライン治療としてのSTNM01の第I/IIa相臨床試験の成果がLANCET eClinicalMedicineに掲載されました。
https://www.thelancet.com/journals/eclinm/article/PIIS2589-5370(22)00461-8/fulltext
本試験(TME-001試験)は、ファーストラインのゲムシタビンをベースとした治療に不応となり、進行した切除不能膵癌患者を対象に実施されたフェーズI/IIa臨床試験です。
セカンドライン治療として経口S-1と併用するレジメンで、超音波内視鏡による核酸医薬STNM01の腫瘍内注射が、2週間間隔で合計3回の投与を1クールとするデザインで投与されました。
全22症例に対し、最大3クールまでの投与が実施され、DLT(用量制限毒性)は認めず、Grade 3の有害事象は8件、Grade 4の有害事象は0件、と高い安全性が示唆されました。
全生存期間の中央値=7.8ヶ月、無増悪生存期間の中央値=4.3ヶ月、病勢制御率(DCR)=77.3%、であり、1例にリンパ節転移巣の消失を伴う完全奏効(CR)が認められました。
腫瘍局所環境の免疫組織学的解析では、ファーストライン不応患者のベースラインにおいて、CHST15の発現が高いほど腫瘍浸潤CD3+及びCD8+ Tリンパ球数が少ない、という有意な相関が認められていました。これに対し、STNM01の1クール投与時点(4週時点)においてはCHST15の発現は有意に抑制され、一方、腫瘍浸潤CD3+ 及びCD8+ Tリンパ球の有意な増加が認められました。更に、4週時点でのCD3+ Tリンパ球の増加の程度が大きいほど、全生存期間が有意に延長するという結果が認められました。
本論文のdiscussionにおいて、セカンドライン治療のヒストリカル・データとして2021年に発表されたMPACA-3 studyのS-1単独療法との議論が展開されており、S-1単独療法での全生存期間の中央値=4.9ヶ月、無増悪生存期間の中央値=2.2ヶ月、病勢制御率(DCR)=37%、という成績からも、STNM01の併用効果が有望であることが議論されています。
また、セカンドライン治療に入る段階の切除不能膵癌における腫瘍浸潤Tリンパ球数は極めて少ない所見、及び、STNM01の投与により4週間という比較的短期間で腫瘍浸潤Tリンパ球が増加し、それが全生存期間の延長と相関する所見が示されたことから、腫瘍免疫が抑制されているセカンドライン患者に対して、STNM01の併用は腫瘍免疫を再活性化する新しいタイプのセカンドライン治療としてのポテンシャルが期待できると議論されています。
2022.6.2
切除不能膵癌に対するセカンドライン治療としてのSTNM01の第I/IIa相臨床試験の最終成果が、東京医科大学の土屋貴愛准教授より米国癌治療学会議(ASCO 2022)にて発表されました。
https://ascopubs.org/doi/abs/10.1200/JCO.2022.40.16_suppl.4144
2022.6.2
膵臓がんのマウスモデルにおいて、腫瘍内CHST15遺伝子の抑制により、癌浸潤T細胞が増加してほぼ完全に膵癌の発育が抑制されたという非臨床試験の成果が、香川大学のJuanjuan Ye氏より米国癌治療学会議(ASCO 2022)にて発表されました。
https://ascopubs.org/doi/abs/10.1200/JCO.2022.40.16_suppl.e16241
2022.5.22
膵臓がんのマウスモデルにおいて、腫瘍内CHST15遺伝子の抑制により、所属リンパ節のT細胞が活性化され、癌浸潤T細胞を増加させたという非臨床試験の成果が、香川大学のJuanjuan Ye氏より米国消化器病週間(DDW 2022)にて発表されました。
2022.5.21
切除不能膵癌に対するセカンドライン治療としてのSTNM01の第I/IIa相臨床試験の最終成果が、埼玉医科大学の谷坂優樹講師より米国消化器病週間(DDW 2022)にて発表されました。
2021.6.4
切除不能膵癌に対するセカンドライン治療としてのSTNM01の第I/IIa相臨床試験のトップライン成果が、東京医科大学の土屋貴愛准教授より米国癌治療学会議(ASCO 2021)にて発表されました。
https://ascopubs.org/doi/abs/10.1200/JCO.2021.39.15_suppl.4120
2018.7.30
事務所移転のご案内
拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。さて、この度弊社事務所を下記の通り移転することと致しました。何とぞご高承のうえ、今後ともなお一層のお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。
敬具
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2018.4.26
切除不能膵癌に対するSTNM01の医師主導臨床研究の成果がGastrointestial Endoscopy(GIE)誌に掲載されました。
2018.3.22
切除不能膵癌に対するSTNM01の医師治験プログラムがAMED「革新的医療シーズ実用化研究事業:臨床研究中核病院を活用する革新的医療シーズの実用化に関する研究」に採択されました。
研究課題名:「薬剤抵抗性の切除不能膵癌に対する核酸医薬STNM01の超音波内視鏡ガイド下投与の第I/IIa相臨床試験」